線路沿いに建つ家
2010.8
■兵庫県芦屋市
住宅地に建つ典型的な核家族が住む専用住宅。
敷地の前面が4車線の線路に面しており、騒音等の面で一見敷地としては良好な立地とは言えない。その反面、線路に面する南面への半永久的な開放感を獲得し、その敷地に以前から残る一本の枝振りの良い桜の木が、光、風、色などの自然の要素を住まい手に意識させている。
空間の構成としては、電車からの視線が直接差し込まないように、半階ずつ上がっていくスキップフロアを基本とし、開口部は最上部に大きく一ヵ所のみ設け、吹き抜けを介して光と景観を取り入れている。
敷地や周辺環境における一般的にはマイナスと捕らえられがちな要素も、考え方一つで他には無いものを生み出すものとなる事を改めて、感じさせられた。