人のための空間を創るにあたって、いつの時代もかわることの無い概念とは何か。
スローライフが謳われながらもやはり物質主義社会の現代、私たちは大量に生産され、
消費されて顧みられることのないモノたちをみるにしのびません。

少しだけ立ち止まって考えてみるといかに日本には美しいモノがたくさんあることか。
それは道具や家具などの製品に限らず、建築資材についても同じことです。

私たちはデザインに携わる者として、まず人の心に添う空間を提案していきたいと願っています。
未だに建築デザインというと建物の外観イメージへのこだわりが強いようですが、
住、商空間を無機質な箱の中に閉じ込めることのないように。

内なる場から外へと手順を踏んで係わりをデザインしていくことで思いもよらず得られる自然の営みや恵み。
さらに共生していくことで知らされる摂理。
心とモノを共生させながら空間を甦らせる行為の楽しさや厳しさを私たちは日々感じています。

ほんのささやかなモノ創りや日常的なデザイン作業の積み重ねではありますが、
人が自然の営みに逆らうことなく過ごすことのできるよう、
スローに穏やかに、しかし根気強く、信念とモノ創りへのこだわりを持って挑戦していく、
そんなデザイン事務所でありたいと願っています。