S+D kaguyama
2003.7
■奈良県橿原市
単純に配置された2個の箱と、その間を取り巻く水庭、箱に対して斜めに振られたスロープのブリッジ。
これがこの物件の構成要素である。しかし、このシンプルな要素は来訪者に様々なシーンを提供するのである。水庭を斜めに空中で横断し、単純な直方体の空間に生じた斜めの切り込みが、予想だにしなかった光と影を創り出す。さらにその隙間から飛び込んでくる、水庭の波紋。空間の構成要素を限りなくシンプルにする事によって、光・影・風・水といった自然の要素が鮮明に浮き上がってくるのである。一見無機質に思える真っ白く仕上げられた空間は、実は四季折々の自然の繊細な挙動を映し出す白いキャンパスとして計画された。