なかたに歯科
2021.01
■大阪市西区
大阪土佐堀にある昭和初期にたてられたビル。
有形文化財に登録されている歴史あるこの建物での歯科医院の計画。
アール・デコの意匠的特徴を良く示す縦長窓。連続して差し込む光により、外観のみならず内部空間にもクラシックな印象を感じさせます。
外壁に使われているタイル、漆喰の壁、ステンドグラスは当時からのものであり、長い年月の中で培われた風情や趣には、作為的には作り出せない魅力があります。
この建物で医院を計画するにあたって、元より建物が持ち合わせている風格を大事にしたいと思いました。
広くとった待合スペースは、窓からの光がコンクリートの床に柔らかく反射するゆったりとした空間。
診療スペースや廊下にいても大きな空間を感じることができるよう、新しく設ける壁は最小限に。
鉄の細いフレームとガラスで仕切った診察室。床は医院ではあまり用いないフローリング敷きとしています。
長く使われていた照明器具のガラスセード等もできる限り再利用し、これまでと変わらない空間の色を意識しました。
医院の理念の一つである’永続性’。
この歴史ある場所で、より伝えられるように設計しました。